狂歌今日行くジンセー論

○ 人の世に不幸は必ず起こるもの大切なのは不幸中の……


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ゆうさんごちゃ混ぜHP「狂歌教育人生論」

  ○ 人の世に不幸は必ず起こるもの大切なのは不幸中の……


 不幸中の幸いについて

 先日友人二人(男)と、女性一人(Mさん)の4人で、両国まで大相撲観戦に出かけた。Мさんは男3人の元同僚である。
 今場所は大関・関脇陣が優勝争いをしているので、そこそこ楽しめた。何より久しぶりによく聞きよく語ったので、楽しかったのかも知れない。

 その前夜なぜかいつまで経っても眠りに落ちず体調が良くなかった。それに最近知人友人と会う前に何かしら不安感がわいてくる。しかし、とにかく相手の言うことをよく聞き、自分のことは少し語るをモットーとしているので、再会してしばらく経つとそんな不安感は消え失せる。男二人とはゴルフや相撲談議を交わした。さほど記しておきたいことはない。

 ただ、一人の友人と交わした言葉が心に残っている。
 何かの話の流れで彼は言った、「もう小説は終わった」と。
 私が「いや、終わったとは思えない」と反論すると、さらに彼は「終わったよ。これからは漫画やアニメだ」と言った。

 それ以上議論を続けなかったが、私としては先日「風の谷のナウシカ」漫画本全巻を読んでいただけに、うなずける部分もあった。アニメ「千と千尋の神隠し」の大々ヒットや「ハリーポッター」シリーズのヒット(こちらは実写映画だが、中身は魔法使いの話だからCGを多用したアニメ的な作品)など、文字で書かれたものより、ヴィジュアル(視覚)で訴える作品の方が支持を得ている。

 だが、文字による想像力の喚起が持つ効力は決して滅びることはないと思う。
 例えば「ハリポタ」小説版は全世界で一億冊と言えるほどの大ベストセラーとなった。
 だからだろうか、その映画化作品は賛否両論あるらしい。
 原作のイメージが壊れたと批判的感想があり、逆によく映像化されていると称賛の声もある。小説を読んで映画を見た人、映画を見た後で小説にいく人。いずれにせよ、小説(文字)を読むならば、その行為は自分一人だけのもの。そこからふくらませるバーチャル世界は自分だけが作った《創造》の世界。
 だからこそ、映像は原作のイメージと違うとの批判が出てくるのだ。そういう意味で、ヴィジュアル作品が広範な支持を得ることは明らかだが、文字化された小説などの作品が力を失うことはないと思う。

 話がそれたが、相撲観戦で特に感心したのはMさんの態度だった。
 彼女は三十歳前で昨年結婚したそうだ。この人がとにかく「ありがとう」の言葉がたくさん出るのでちょっと驚いた。
 昼食兼飲み会の店で、私が箸を渡せば「ありがとう」(男二人はただ黙って受け取っただけ)。相撲終了後国技館を出るときには雨が降り出した。私が彼女に傘を差しかければ「ありがとう」。駅について傘を畳む時でさえ「ありがとうございました」。

 全て覚えていないけれど、何だかのべつまくなしちょっとしたことでも感謝の言葉を言われたような気がした。以前一緒に働いていた頃はそんな人だと思っていなかっただけに、意外だった。

 私もかなり意識してありがとうを言えるようになったが、彼女は自然に出ている感じだった。そして、よく人の話を聞くことのできる人でもあった。そこにちょっと反論と自分の意見の開陳があれば文句なしと思った。全体的には「ああこの人はたぶんいい人生を歩み、いい夫といい子どもに恵まれるだろうな」と感じた。

 こんなことを書くと、人は「たかが感謝の言葉をしょっちゅう言ったくらいで、そんなにいいことが起こるはずはない」と言うだろう。

 それに対して私はこう思う。もちろん(神や自然は平等だから?)全ての人に平等に不幸がやって来るし、いやな目にあう。だから、感謝の言葉なんぞ一切言わない不遜(ふそん)人間にも、いつも感謝の言葉を忘れない好々人にも不幸な事件や事故が起こる。

 だが、最近私は問題はその後ではないかと思うようになった。
 つまり、人には不幸な事故、いやな事件や出来事が必ず起こる。だが、そのときそれが不幸中の不幸になってしまうのか。あるいは、その出来事に不幸中の幸いが起こるのか。そこに違いがあるのではないかと。
 一方の人は不幸な出来事が不幸で終わり、何もラッキーが起こらない。ところが、もう一方の人には不幸中の幸いが起こる。あるいは、ラッキーを引き寄せる。そこにその人の普段の生き方やら、考え方・感じ方のもろもろが関わっているのではないかと思えるのだ。

 いつも感謝の気持ちを忘れず、それを実行していたMさん。彼女には、かりに不幸な出来事が起こったとしても、それは不幸中の幸いとなるのではないかと思った。
 この実例はいくらでも思いつく。いつかこの件についてもっと深く考察してみたいと思っている。

  ○ 人の世に不幸は必ず起こるもの 大切なのは不幸中の……

  ○ 不運不幸必ず起こるいやなこと 感謝の心が幸い起こす?



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